オンライン授業で大学が変わる 
~コロナ禍で生まれた「教育」インフレーション~

定価:1,200円 + 税
  • 著者:堀 和世
  • 発売:2021年2月22日
  • 判型:B6判
  • 頁数:232ページ
  • ISBN:978-4-903175-99-7

内容

本書では急速に浸透したオンライン授業について、大学教員・大学生・保護者という3者から寄せられた、教育現場のリアルな声を紹介する。

2020年春、明るい学生生活を思い描いて大学の門をくぐろうとしていた新入生たちに衝撃が走った。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために国が緊急事態宣言を発出したのだ。それに伴い大学はロックアウト。学生たちは大学に通えず、自宅でパソコンやケータイを使ってオンライン授業を受けることになった。
戸惑ったのは学生たちだけではない。慣れないICT(情報通信技術)と格闘する教授たちも、どうすればこの環境の中で授業ができるのか、必死にパソコンと向かい合っていた。
問題は山積みだった。試験ができない。学生たちをどう評価すればいいのか。理解度を知るために、どの授業も毎回課題を出す。学生たちは課題地獄と闘わなければならなかった。
ところが、意外にも学生たちの多くはオンライン授業を歓迎していた。コロナ禍で生まれた新常識(ニューノーマル)は大学の在り方を変えてしまったのだ!

また思想家・内田樹氏が「オンライン授業は対面授業の代替物たりうるか」について語るコラムや、東京大学大学院情報学環・吉見俊哉教授へのロングインタビューなどを通じ、オンライン授業、そして大学教育の在り方を探る。

●目次
第1章 降って湧いた「オンライン授業」
    大学で何が起こったのか
第2章 走りながら考え、教えながら悩んだ
    大学教員から見た「オンライン」
第3章 「教室」が消えた!
    学生たちは「大学」に何を求めているのか
コラム 思想家・内田樹氏に聞く
    オンライン時代の「新たな教育プログラム」が必要だ
第4章 コロナ以前の大学にはもう戻れない
    オンライン授業の未来
第5章 ロングインタビュー 大学はもう一度死ぬのか?
    吉見俊哉・東京大学大学院情報学環教授

堀 和世(ほり・かずよ)
1964年、鳥取県生まれ。東京大学教育学部卒業。89年、毎日新聞社に入社。週刊誌『サンデー毎日』に在籍し、取材、記事執筆、編集業務に携わる。2020年に退職してフリー。

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